買物の帰り道、
ふいに母が死んだ時の
イメージが出て来た。
(まだ全然元気なんだけどね。)
その時私はどうするのかなって。
イメージの中で、私は、
小さくなって冷たくなった
母の額に手を当てて、
こう口にしていた。
「お母さん、幸せだったかなぁ」
その言葉が出て来て、
まだ外にいるというのに
急に涙があふれてきた。
離婚してから
女手一つで私と妹を
育ててくれた母。
仕事に一生懸命で、
帰って来てからパパッと
晩ご飯を作ってくれて、
お弁当を持たせてくれて、
高校の奨学金を
立て替えてくれて、
大学もお金に困ったときは
助けてくれた。
一緒に映画を見て楽しかったこと、
怒るとめちゃくちゃ怖かったこと、
頭が悪くなるといけないからと
叩かれるのはお尻と決まっていた。
“おかあさん”って歌が好きって言ってたっけ。
子守唄でうたってくれた歌。
おかあさんの背中。
小さい頃遊んだ公園の帰り道、
急に倒れて救急車で運ばれて、
妹と大家さんちに預けられて
心細かったこと。
離婚するって決まって、
家族会議したときの風景。
田舎に引っ越して、
新しく家族3人で暮らす家に
着いたときの景色。
部活で夜遅くなって、
原付で2けつした帰り道。
入学式や卒業式は
会社を休んで来てくれたね。
拭っても拭っても
後から後から涙が出てくる。
たくさんたくさん
愛されてたんだなぁ。
「ねぇ、お母さん、
お母さんは幸せだった?
私を産んで幸せだった?」
なんだか、恥ずかしいなぁ。
私、いつも
自分のことしか興味ない
とか言ってるくせに、
お母さんの幸せ願ってるんだもん。
普段、斜に構えてるくせに
“かみさまとのやくそく”
に出てくる子どもと同じくらい
ピュアなこと思ってるんだもん。
ほんと、笑っちゃうわ。
「ねぇ、お母さん、
元気に長生きしてよ?
一緒に見たい景色があるから」
「ねぇ、お母さん、
孫の顔は見せられるか分からんわ、
ごめんね、笑」
「ねぇ、お母さん、
私はお母さんの娘でいられて
幸せだったよ。
この先どれくらい
一緒にいられるか分からんけど、
これからもよろしくね。
Chika8でした♪