何も考えていなかった。
高校受験も
大学受験も
就職活動も
何も考えていなかった。
ただ、自分がその望む場所に
いることを想像していた。
ただ、夢中になって
自分が「必要だ」と思ったことを
やっていた。
やり方で悩むことはなかった。
なぜか確信めいた思いで
「これをやっておけば大丈夫」と
自分で選んだ方法で取り組んでいた。
不安がなかったわけではない。
受験当日は緊張したし、
就活の試験や面接はその都度ドキドキした。
だから、本番の直前まで
自分を奮い立たせる音楽を聴いて、
自分の中をパワフルな状態にした。
そうして臨んだ受験で、就活で、
私は周囲から「受かったのが奇跡」と言われる
大学に、会社に受かったのだ。
それが、社会人になってから
その感覚が分からなくなってしまった。
手当たり次第に突破口を探したけれど
見つからない。分からない。
長い長い暗黒の時代。
そうして気づいたのは、
行き先を間違っていたということ。
確かに就活の時には
目指していた世界だった。
でも、実際に入ってみたら、
自分が望んでいたこととは
違っていたんだ。
だから、
会社で望まれる人間になるような
スキルアップはできなかった。
できなくて良かったんだ。
迷っていた故に出会った
世界の仕組みの話、思考と現実の話は、
これまでの常識とはかけ離れていて
最初は信じられなかった。
でもすぐに気がついた。
私はすでにそれを人生で経験していた。
だから「確かにある」としか言えないんだ。
ただ、今リアルタイムで
「こんなことがあったよ」と
提示できるものがない。
だから時期を待っている。
その間、瞬間瞬間に
自分ができることをするだけだ。
先は見えないけれど、不安はない。
いや「不安はあるけど、大丈夫」かな。
先日のお金の記事に書いた通り、
私は最後の恐怖を手放せたのだと思う。
イチバンの呪いから
自分を解放できたのだと思う。
ただ、
これもまだ今は感覚だけ。
何の証拠もない。
だけど、この感覚だけは、
あの大学受験の時の
あの就職活動の時の
それと同じだと知っている。
あの何も考えていない、
ただ自分が選んだことに
淡々と取り組んでいたあの時の感覚。
あとは天に任せるだけ。
何が結果として返ってくるのかは、
まだ分からない。
恐怖と向き合ったその先に、
光があることを、信じたい。